このblogは基本的に、海外就活について淡々と情報提供するblogなのですが、今回は本格的に酷いと思った話なので、意見を書こうと思っています。
事の発端はこのニュースです。
「和民」の女性社員自殺 労災認定 魚拓もとっておきました。
4年前、大手居酒屋チェーン「和民」で働いていた26歳の女性社員が、入社から2か月後に自殺したことについて、神奈川労働局は、残業が月に100時間を超えるなど過労が原因だったとして、女性の死亡を労災と認定しました。
森さんの両親によりますと、手帳に記された日記には亡くなるおよそ1か月前に、「体が痛いです。体がつらいです。気持ちが沈みます。早く動けません。どうか助けて下さい。誰か助けて下さい」と書かれていたということです。 もりぞおさんは、長時間労働を忌み嫌っています。
同時に、会社員として仕事が楽しくて残業をしてしまう場合や、職責上長時間労働をしなくてはならない場合もあることは分かっているので、
「社畜、乙!」と明るく消化することが多いです。
しかし、それにより身体や心に大きな変調をきたすような場合は別です。「身体を壊しそうになったら、辞めるべき」と常日頃から言うようにしてます。
諸悪の根源はこの様な労働環境に追い込む会社ですので、憎悪の対象は会社になるのですが、この和民の件は、その会社の会長、都知事選にも立候補したわたなべ美樹氏から、あまりにも酷い発言がありました。
わたなべ美樹氏のtweet
労災認定の件、大変残念です。四年前のこと 昨日のことのように覚えています。彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理 できていなかったとの認識は、ありません。ただ、彼女の死に対しては、限りなく残念に思っています。会社の存在目的の第一は、社員の幸せだからです
このtweetを見て始めに思うのが、
「労災認定されたことが残念だ」という意見ではないかと言うことです。「うちの会社はきちんと管理してた。でも死んじゃった。それなのに労災認定して賠償金払わなきゃいけないのかー。残念」というように読み取れてしまいます。
さすがに大企業の社長で、都知事に立候補するような人間がこの様な非人道的な事を言うわけがないので「彼女が亡くなったことが残念だ」と捉えることにしましょう。それでも、
「残念」という言葉が会長としての従業員に対する責任を全く感じさせない言葉ですが。 会社の存在目的の第一は、社員の幸せであるならば、やるべき事は
1.会社が持っていた労務管理データが、実際の労働時間を正確に捉えているかを調査する → 捉えていなかった場合には労務管理の方法をゼロベースで見直す
2.労務管理データが正しいのであれば、そのデータが労働基準法を遵守しているかを確認する → 遵守していない場合は労働環境をゼロベースで作り直す
3.労働基準法を遵守していたのであれば、彼女が自殺した原因を周囲の聞き込みを中心に検証する → 彼女が手記に書いた「助けて下さい」は何から助けて欲しかったのかを明確にし、その原因を改善する
でしょう。しかし、和民本社から、本件に対する声明はこれです。
本日、一部報道におきまして当社グループが運営する店舗に勤務していた元社員につき労災と認定 されたとの報道がありましたが、報道されている勤務状況について当社の認識と異なっておりますの で、今回の決定は遺憾であります。 PDFにこれだけの文章を書いて公開しています。
まず、
亡くなった元社員に対する追悼の意が一切ありません。 そして、報道されている勤務状況と認識とが、どのように異なっているかが全く分かりません。
これは、店に入ったクレームに対し、
本日、あなたからのメールにおきまして当社グループが運営する店舗において不手際があったとのご指摘がありましたが、記載されている状況について当社の認識と異なっておりますの で、今回のご指摘は遺憾であります。
と答えるようなもんです。何の論拠もなしに、ただシャットアウトするだけの返答。会社がこの件に関して全く責任を取ろうとしていないことが非常によく分かる文面です。
そして極めつけがその後tweet
バングラデシュ 朝、五時半に、イスラムの祈りが、響き渡っています。たくさんのご指摘に、感謝します。どこまでも、誠実に、大切な社員が亡くなった事実と向き合っていき ます。バングラデシュで学校をつくります。そのことは、亡くなった彼女も期待してくれていると信じています。
彼女が残した「誰か助けて下さい」というメッセージは、「教育が受けられない、バングラデシュの子どもを助けて下さい」という意味だったのでしょうか? わたなべ美樹氏の頭の中ではそのように認識されているのかもしれませんが、一般的な頭で考えるとその可能性は、バングラディシュの餓死しそうな子どもが「長時間労働を強要され、動けなくなっている日本の女性社員を助けて下さい」と言う可能性と同じくらい低いと思われます。
このtweetにより、彼女の訴えが全くわたなべ美樹氏に届いていないこと、わたなべ美樹氏が人の苦しみに関して全く理解がないことが明確になりました。
こんな人が会長である会社に入社する事なんてまっぴらごめんだし、ましてや都知事になんてなられたら大迷惑です。 そして、とどめが過去にわたなべ美樹氏自身がHPで発表した文章。
「14年連続自殺者3万人」の国、日本 魚拓 後半を引用すると
日本とカンボジアを比べても仕方がないが、圧倒的に日本の方が経済的には豊かだ。
しかし、14年連続で毎年3万人以上自ら命を絶つ社会が真に豊かと言えるだろうか。
我々はあまりに、無関心になってはいないか。その膨大な数に痲痺していないか。
政府のなかに内閣府自殺対策推進室がある。しかし、自殺はいっこうに減らない。
3万人ひとりひとりの自殺の背景をどれだけ細かく把握しているのか。それがなければ対策も何もない。
自殺者は社会のカナリアだと思う。カナリアは坑道などでいち早く有毒ガスを検知する。
「我々の社会はおかしいぞ」と自殺者の方々は、自らの命を絶って訴えているのかもしれない。 「自殺者ゼロの社会」。
都知事選で訴えさせてもらった。実現できたらどんなにすばらしいことだろう。 この文書を一部改変して、そのまま彼にメッセージを返させて貰いたい。
ひとりの「社員の」自殺の背景をどれだけ細かく把握しているのか。それがなければ対策も何もない。
自殺者は「会社」のカナリアだと思う。カナリアは坑道などでいち早く有毒ガスを検知する。
「我々の「会社」はおかしいぞ」と自殺者の方は、自らの命を絶って訴えているのかもしれない。 和民はおかしい。わたなべ美樹氏はおかしい。 そして、この会社のおかしさは、日本の社会全体のおかしさの一つの象徴だと思う。
なお、本文中に使用したtweetおよび、私が
@watanabe_miki に飛ばしたtweetは下記にまとめました。
和民のわたなべ美樹にとばしたtweetの極私的まとめ- 関連記事
『ブラック企業と旧日本軍』(ワタミ化と東南アジア化)
http://d.hatena.ne.jp/Lacan2205126/20120222/1329895239
よかったら併せて読んでみて下さい。
そうやって、何でもかんでも日本社会全体に押し付け、一切の希望を奪い取ろうとする言説も、また自殺に向かう若者の背中を押すものではないでしょうか?
ここは、自殺ホットラインなどを紹介し、自殺を考える前に「相談する場所がある」ということを啓蒙していく事が大事なのではないかと思います。
新聞やニュースみたいに、暗い言説ばかりを語る人間こそ、自殺者の最大の敵かと思われます。
その内容を
「会社」は「社会」のカナリアだと思う。カナリアは坑道などでいち早く有毒ガスを検知する。
という意味を込めて記載したのが最後の文章です。
自殺者個々に対してケアをすることはもちろん非常に大切ですが、大枠に対して疑問を投げかけ、改善していくことも大切だと考えています。
本blogでは「日本以外にも働き場所はあるよ」という形で、多くの人に選択肢を知ってもらい、ひいては日本社会の構造をちょこっとでも変えられたらと思っています。
日本に残って働きたいという考え方はグローバリズムの前では贅沢・甘えなんでしょうか
バブル期みたいに企業が就活生に頭下げろとまでは言いませんが
供給過多による労働のデフレを止めて国内の労働環境改善をやってほしいんですが・・・
しかし、残念ながら、現実は、
若い人の人口がどんどん増加し購買需要が増え、外国人が新しい工場を作り雇用がどんどん増える東南アジアでは、給料が上がり生活レベルが向上し、
若い人の人口がどんどん減少し購買需要が減り、外国へ工場が次々と移転し雇用がどんどん減る日本では、給料が下がり生活レベルが低下します。
今まで恵まれていなかった東南アジアの人が豊かになる代わりに、今まで恵まれすぎていた日本人が貧しくなるわけです。世界が平等になっていく流れを止めることは非常に難しいと思います。
日本の経済全体が下りエスカレーターなので、その中で全力疾走して上を目指すか、違うエスカレーターに乗り換えるかは自分次第。しかし、自分で考えて行動しなくては、エレベーターは下がってしまいます。
正直、政治家には期待できないし、もっというと、どんな優秀な政治家であっても、この流れを逆流させることは難しいと思います。
だから、我々に出来ることは、自分で考えて行動し、自分の周りを個別に改善をしていくことです。
海外就職という極端な形でなくても、いい給料がもらえる仕事に就くために、自分で工夫して知識・スキルを身につけるとか、もっと草の根で、サービス業の労働環境改善のためにサービスが駄目でも気にしないようにするとか、出来ることはいろいろあります。
生きていくことは結構大変ですけど、まだまだ選択肢は沢山あります。
疑問なのは、供給過剰でなければ若い人の数が減ると短期的には
供給の価値が上がり雇用環境・賃金が上昇すると思うのですが・・・
政治家には期待できないと言うのは同感ですが政治家に労働・雇用環境が良くなるように
需要不足を解消するよう要求するのも重要な選択肢ではないでしょうか?
赤字国債で作った金を公共事業に投資して需要を作り出すことの結果が膨大な借金であり、今後それを続けていいのかは疑問です。(国の借金はいくらしてもいいって言ってる人もいますが…)
私個人としては、代案がないので、この件に対しては政府に対して文句を言わないようにしています。