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フィリピン留学2校目 山奥韓国人経営スパルタ式 その3 韓国人の英語教育の凄さと問題点について学んだこと編

 2011-12-05
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そんなこんなで、山奥にある韓国人経営のスパルタ式学校について、設備授業を説明してきたわけですが、この学校、とにかく韓国人が多いです。
2011年11月現在、この校舎に100人以上生徒がいるのですが、日本人(私を含め)3名、台湾人1名。残りは全部韓国人です。(ちなみに、1人日本人のスタッフの方がいます)

そもそも、フィリピンに英会話学校を作ろうなんて考えたのは韓国人。
フィリピン国内に100校以上の韓国人経営の英会話学校が出来ており、おびただしい量の韓国人が留学に訪れています。

その韓国人の内訳ですが、この学校に関して言えば、社会人3割、大学生5割、高校生2割くらいでした。
社会人は、仕事を辞めて来ている人多数。
彼らは(当然)自分の金で来ており目的意識も高いです。
「ここで3ヶ月勉強した後オーストラリアの大学で写真を学び、海外で写真の仕事をしたいんだ」
彼らのマインドは前向きで、学習にも非常に意欲的です。

そして、一番多い大学生。
なんと、大学生の3割くらいが在学中にフィリピン留学をするそうです。(大学生たちにも、韓国の留学斡旋業者で働いてる人からも聞いたのでそれなりに信憑性のある数字だと思います。

で、何のために英語を勉強するの?と聞いたところ、多くの答えが「就職活動」でした。

韓国企業に就職をする場合、まずエントリーシートの段階でTOEICの点数で足切りがあります。多くの企業の足切りラインが800点。人気企業だと900点とかだそうです。(私は永遠にサムソンには入れなさそうです。。)
また、日本で有名な"TOEIC"だけではなく、"TOEIC SPEAKING"の点数も必要だそうで、座学だけでは通れない厳しさがあります。

さらに、書類選考を通過した後には英語での面接があるようで、これを通過しないと正社員の職は得られないとか。

韓国は1998年のアジア通貨危機の際に国がえらいことになっており、IMFが介入してきました。その際に、多くの企業で終身雇用が崩壊し、日本で言うところの「派遣社員」が増加しました。
「正社員」の枠は非常に狭き門となっており、その足切りのためにTOEICの点数が使われているようです。

じゃあ、そんな韓国企業は業務で英語を使っいまくってグローバルな仕事をしているのかというと、別段そうでもないようです。

「多くの韓国の会社は、英語を使うのは面接の時だけ。あとは韓国語だけだよ。。」

どうやら、受験勉強と同じ感覚でTOEICをやっているようです。
「日本には英語が喋れない英語教師が沢山いる」って話をしたら、「韓国にも沢山いる。韓国の高校までの英語教育は大学受験のためのリーディングとライティングだけで、全然喋れるようにならない」という、日本と全く同じ問題があることが判明しました。

大学受験のために形式的な「受験英語学習」をすることの延長に、就職活動のためにまたも形式的な「就活英語学習」をするのであれば、ちょっと悲劇です。。
しかも、「就活英語学習」は、わざわざ大金払ってフィリピンくんだりまで来てやるのですから。。。
僕たちは「犠牲者ですよ」。アニメで日本語を覚えた韓国人は、ここを強調して日本語で言っていました。

韓国人の若者と話をしていて思ったのは、こういう後ろ向きな話をする人が多かったことです。大体前向き:後ろ向き= 3:7くらいかな。
英語の出来る人だけの校舎でこれなのだから、全体としてはもっとネガティブかもしれません。
そんな人たちに、「サムソンやLG、現代自動車はすげーじゃん!」って話をすると、「あそこは特別。もはや韓国企業じゃない」という話が返ってきます。

社員は1度外国に行ったら、ほとんど一生行きっぱなし。で、現地のために製品を作る。その作った製品はあまり韓国国内に還元されない。なにせ、韓国国内で買うより海外で買った方が安くていいものがあるんだもん。あいつら、「裏切り者」ですよ。

韓国は人口が4000万人ちょいしかおらず、市場が日本の1/3しかありません。
そんな中で企業が成長するには、外に出るしかない。したがって、GDPの40%を輸出が占めています。とにかく貿易しなくちゃやっていけないわけです。

だから、本気で成長を目指している企業は、本気で英語を勉強させ、本気で若手を海外に送り出し、本気で外国人向けの製品をつくるわけです。
別に彼らは「裏切り者」なわけではなく、自分のやるべき事をえげつないまでに実直にやっているに過ぎないわけです。(そして、現実、それが成功している)

これは、大変困難な道で、LGなんかは「英語社内公用語化」を宣言したものの、社内の意思疎通の困難さが経営に影響してきて、宣言を撤回したそうです。それでも、海外に出て行かなきゃいけない。英語を勉強していかなきゃいけない。世界の中で「裕福」な存在でありつづけるために。そんな覚悟が一流企業にはあるのでしょう。

問題は、そこまで本気ではない企業です。
海外で本格的に出て行くわけではなく、韓国国内でそれなりに(縮小しながらも)生き残ってる企業。彼らは、グローバリゼーションの流れに乗っているわけではないけど、世間で英語が流行ってるから、自分たちも英語の出来る社員を増やそうという、大変儀礼的な英語就職試験をやってるのではないでしょうか?なんか、すごーく、日本的にみえるのですが。。そっくりですね。

大学生の1/3が英語を勉強するくらい英語学習熱が高いことから、英語を出来る人数が増え、当然「英語が出来る優秀な人」の人数が増え、それがサムソンなどの国際優良企業を生んでいることは事実でしょう。
ただ、それになんとなく乗っている気になっている企業と、就活生。彼らは、ちょっと勿体ないなあと思ってしまいます。

ちなみに、高校生はどうかというと、「親に言われたから。海外に大学に行けといわれてる」まあ、高校生だしね。。自分の人生とかまだ考えられないよね。。

普通に考えれば、業務で英語が必要な企業は英語の試験を課せばいいし、使わないんだったら他の試験を課せばいい。
国内相手の商売をするだけだったら「英語が出来ない優秀な人」を狙うのが一番効率がいいだろうし。
そうすれば、学生側も、国内で働く気の人は英語を勉強しないでいいし、国内にいるだけじゃじり貧だと気づいている人は頼まれなくたってフィリピンでもどこでも行くだろうし。履歴書の1行と数十分の面接のためだけに英語を勉強するのは、あまりにも無駄が大きすぎます。

ただ、会社や国ってのは往々にしてろくでもない決断をするのが世の常で、どこの国に行ったって似たようなもんです。
メリットとデメリットを比べて、耐える価値があるくらいであれば理不尽に耐えればいいわけですが、デメリットが遙かに上回ってしまったとき・・・逃げるという選択肢が必要です。

中国のあの酷い体制から逃げ出したい中国人は山ほどいて、日本人よりも圧倒的に不利な状況から知恵と努力を振り絞って海外に脱出しています。
韓国人の中にも、「韓国で働くために」英語を勉強している人だけでなく、「この変な労働環境の韓国から脱出するために」英語を勉強している人も沢山いました。

そして、今の韓国は数年後の日本の姿です。
グローバリゼーションはどう考えても留まるわけがなく、日本国内だけで稼ぐ仕事はどう考えても少なくなり、給料が減ります。(TPPがどうなろうが全く関係ありません)
そんななか、中途半端に英語化して、新卒学生が手書きで履歴書を書かされるのと同じような理屈で英語面接を受けさせられるのは目に見えています。

だったら、いっそのこと、その努力をもっと自分の選択肢を増やすためにやってみたら。。というのが私の思いです。
折角英語を勉強するのだから、将来その英語を使って仕事をすることを見据えて、出来たら日本以外の国で生活することを見据えて勉強すれば、モチベーションは上がらないでしょうか?

かなりの高確率でこれからえらいことになる日本から「脱出する」という選択肢を得るための英語学習。

結局、自分の身は自分で守るしかないんです。
国や企業に助けてもらうために英語を勉強するのではなく、自分で自分を守るために英語を勉強する。自ら覚悟して、決定した事に対しては自分で責任を取るしかない。その責任がモチベーションに直結するんです。

結構な数の韓国人が、授業をサボって部屋でオンラインゲームで遊んでいると言うことを知って、こんな事を考えました。

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はてなブックマーク→ このエントリーをはてなブックマークに追加 2011-12-05 | 04.フィリピン留学 スパルタ編 | トラックバック:(0)件 | コメント:(0)件
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もりぞお / 森山たつを

Author:もりぞお / 森山たつを


海外就職研究家という変な肩書きを名乗ってます。
 本を書いたり、海外就職に関するセミナーやったり、BBT大学の講師勤めたり、毎日エデュケーションの連載やったりしてます。
あと、J-Cast会社ウォッチで連載してます。
「アジア海外就職」という選択肢

 外資系企業に7年+日系大企業に2年勤めた後、突如会社を辞めてビジネスクラスで1年間世界一周旅行に出る。
 その後、2年間日本で働いた後、またも突如会社を辞めて、現在アジアでの日本人就職について研究・発表を生業にしている。

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 ちなみに、この似顔絵は「海猿」「ブラックジャックによろしく」でおなじみ、漫画家の佐藤秀峰さんに描いて頂きました。

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